はじめに
両建てというのは、FX投資法などにおいて同一通貨ペアで売りポジションと買いポジションの両方を持つことを意味します。
両建てについては賛否両論ありますが、あまり良い方法ではないというのが大方の意見のようです。しかし、自分なりの明確な戦略がある場合は、両建てして資産を増やすチャンスをモノにするべきだと筆者は考えています。
南アフリカランド円を選ぶ理由
両建て自体はどの通貨ペアでも行う事が出来ますが、筆者がお勧めするのは南アフリカランド円という通貨ペアです。
南アフリカは金、プラチナ、ダイアモンドなどの鉱物資源が豊富な国で、経済発展途中の新興国であり、インフレ対策のため金利が高いという特徴を持っています。そのため南アフリカの通貨であるランドは高金利通貨、資源国通貨とも呼ばれます。
資源国通貨は一般的に輸出相手国の景気が悪くなると一気に売られるという特徴が見られます。特に南アフリカランド円は、ゆっくり時間をかけて円安になるが、円高へはあっという間という傾向が強いように思われます。
感覚的な意見ですが、1円円高になるのに約1週間しかかからないのに、1円円安になるためには約1カ月かかるという動きを示しているようです。そのため、マイナススワップがついたとしても実は売りポジションを持つほうが短期間に利益を得られると感じています。
取引条件
南アフリカランド円で両建てをする際、レバレッジ25倍、通貨単位は1千通貨にしています。
両建て方法
南アフリカランド円はここ数年9円から13円の間で推移しています。特にここ1年だけをみると9円から11円の間で動いています。
そこで、まず買いポジションを現在の価格から9円までの間で1千通貨単位づつ2銭ごとに指値注文します。
具体的にいうと、現在1南アフリカランド円が10円だと仮定すると、10円から9円までの間で、10円00銭、9円98銭、9円96銭、9円94銭・・・・・9円00銭まで2銭刻みに買い注文を入れておきます。この時同時にIFD機能を使って「指値+10銭」の値に決済注文を入れています。つまり10円で買って10円10銭で売るという注文をしているわけです。
次に売りポジションを注文します。買いポジションは機械的に2銭刻みで注文していましたが、売りポジションを持つ際はチャートをみて自分で売り場を見定めます。
筆者は日足チャートでボリンジャーバンド、ストキャスティクス、MACDの3種類のテクニカル指標を使って売り場を見定めています。
ポリンジャーバンドの+2シグマラインに日足がぶつかったらそろそろ売り場を探し始めます。MACDがシグナルを下抜けた、もしくは下抜けそうかどうかを確認し、ストキャスティクスの「%K」が「%D」を下抜けたか、もしくは下抜けそうかどうかを確認します。
MACDとストキャスティクスが下抜けた、もしくはもう下抜け確実であれば、その時の売値より少し高値で売り注文を入れます。
具体的にいうと、テクニカル指標がすべて円高方向を示したときの売値が9円90銭と仮定した場合、その売値から少し高い値9円92銭に売り指値注文を入れ、同時に40銭を目安に決済注文も入れておきます。
リスク管理
ポジション数は特に気にしていませんが、証拠金維持率が2000%を割り込まないように気をつけています。
もし2000%を割り込みそうな時は、未実行注文を2銭刻みから5銭刻みや10銭刻みに変更したり、ある程度利益がでているポジションを決済するなどしています。
おわりに
南アフリカランド円は高金利通貨であるにもかかわらず、下落の勢いが強く、また9円前後で底堅く跳ね返るという特徴をみせているため、両建てに向いている通貨ペアだと思います。
しかし、南アフリカ自体、国内情勢が必ずしも安定している国ではないので暴動や内乱などで取引停止や貨幣価値消滅などのリスクも抱えています。そのため、投資先を南アフリカランド一本に絞るのではなく、いろいろ分散したなかの一つという位置づけで投資した方がより安定的に資産増加を図れるのではないかと思います。
(photo by http://www.ashinari.com/2008/12/10-010993.php?category=6)